研究目標

研究背景

研究背景
  • セラミックス部材は、電子機器や自動車をはじめとする多くの工業製品に不可欠であり、今日の文明社会を支える基幹部材の一つです。我が国のセラミックス産業は、世界トップレベルの製造/生産技術を有し、世界シェアのほぼ半分を占めています。
  • セラミックス部材の製造プロセスは、原料の成形、焼結、後加工等を含む複雑な工程から成り立っています。電気炉を⽤いた高温長時間の加熱が必要であることから、製造コストに占める人件費やエネルギーコストの割合が大きく、このため近年では東南アジア各国での生産が増大しつつあります。
  • 従って、国内セラミックス産業の技術的優位と高い産業競争力を将来的に維持・拡大するためには、新たな技術革新によって、高付加価値製品(少品種、少量、高品位)の製品群の開発、あるいは新たな価値を創造する製品群の開拓を目指す必要があります。

世界シェア

世界シェア

中国の特許出願状況

中国の特許出願状況 

目標

従来のセラミックス製造プロセスの制約を壊す.

  • このような状況を踏まえて、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)/革新的設計生産技術」の一つの平成26年度より開始された「高付加価値セラミックス造形技術の開発」では、セラミックス産業のイノベーションを誘起することを目的として、従来のセラミックスの製造プロセスでは困難であった高付加価値部材の製造を容易にし、顧客の要望に沿った部品設計を製品につなげるために、3D積層造形技術ハイブリッドコーティング技術という2つの新しいセラミックス造形技術を開発しています。
  • 3D積層造形技術では、従来の技術では作製困難な複雑形状部材や中空部材の作製を可能とする、セラミックスの粉末積層造形法やスラリー積層造形法を開発し、種々の材質や製品等に適応できる技術とするとともに、成形と焼結の同時実現により後焼結プロセスの省略、焼結炉不要など焼き物の常識を変えるレーザー直接積層焼結法等の開発を行い、製品形状設計の自由度向上や生産工程短縮に資する造形技術としてのプラットフォーム技術の構築を目指します。
  • ハイブリッドコーティング技術では、原料粒子の微細化やプラズマ制御により、溶射法では困難な金属、樹脂基材上への高密着な皮膜形成を可能とするハイブリッドAD(エアロゾルデポジション)法や微粒子スラリー溶射法を開発し、3次元表面上への高密着・高機能な複合膜、積層膜のコーティングを実現することで、製品設計の自由度や機能向上を図り、同時に生産速度やコスト低減に資するプラットフォーム技術の構築を目指します。
  • さらに、部材化技術として、これら二つのプラットフォーム技術を基に、各企業が設定するそれぞれの出口部材製造に向けた技術開発を行います。日本の産業競争力の基盤となる技術の確立と部材の早期実⽤化を同時に実現することを目指し、産業分野においては、次世代半導体製造に不可欠な半導体製造⽤部材耐やプラズマ部材、高効率なガスタービン翼の冷却構造を可能にするセラミックコア(中子)、生活分野においては、安全でおいしい水を提供するセラミックフィルター、高齢化社会に対応する移動式トイレ、医療分野においては患者さんのQOL(生活の質)を高める人工関節や骨補填材を各社の出口部材として設定し、多様な出口部材製造に対応できる技術開発を行うことにより、様々な分野の革新的なセラミックス製品群創出の基盤の構築を目指します。

目標